この夏、茶茶まるサロンでは、子ども・学生さんにも茶道に触れてもらえたらと、夏休みの茶道体験をご案内しました。

実際にお子さまたちとお稽古をしてみて、改めて感じたことがあります。

それは、

「茶道をやってみたい」と思うきっかけも、楽しみ方も、人それぞれでいい。

ということです。

「本格的にやってみたい」から畳のお稽古へ

夏休みに体験に来てくれた中学生のお子さま。

最初はテーブルで茶道を体験していただきましたが、日本文化にも興味があり、「今度は畳でやってみたい」とのこと。

そこで次回は、畳でのお稽古を体験してもらいました。

慣れない正座で足がしびれながらも最後まで頑張り、初めての袱紗捌きも、よく見ながら一生懸命取り組んでくれました。

テーブルと畳、両方を経験したあとに選んだのは畳。

「足はしびれるけれど、本格的な感じがするから畳で続けたい」

そう話してくれたそうです。

子どもだから簡単なものを、ではなく、子どもだからこそ「本格的なもの」に惹かれることもあるのだと、私自身も教えてもらいました。

「正座が難しい」から、お孫さんと一緒にテーブル茶道へ

そして先日は、小学生のお子さまとおばあさまが一緒に体験に来てくださいました。

きっかけは、お孫さんの「茶道をやってみたい」という気持ち。

おばあさまは正座が難しいため、最初は茶道に参加することを迷われたそうですが、娘さんから「テーブルでできる茶道だよ」と聞き、

「それなら孫と一緒に」

と参加してくださいました。

実は、おばあさまも抹茶を点てるのは初めて。

お二人並んで、それぞれご自身で一服のお茶を点てていただきました。

お孫さんは抹茶が好きだそうで、初めてとは思えないほどきれいに泡が立ち、とても上手に点ててくれました。

そして、初めて自分たちで点てたお抹茶。

「せっかくだから、お互いに点てたお茶を交換して飲んでみる?」

と聞いてみたところ、お孫さんから返ってきた答えは、

「……自分で飲む」

でした(笑)。

初めて自分で点てた一服です。
やっぱり、自分で飲んでみたいですよね。

そこでこの日は、お二人ともご自服で楽しんでいただきました。

ちょうどもうすぐ敬老の日。

いつか、お孫さんがおじいちゃんやおばあちゃんのために一服点ててあげる日が来るのも素敵だな、と思いました。

茶道というと「おもてなし」や「相手を思いやる心」という言葉がよく使われます。

でも最初から難しく考えなくても、まずは、

「自分で点てるのが楽しい」
「自分で点てたお抹茶がおいしい」

そんな気持ちから始まっていいのだと思います。

そこからいつか、「今度は誰かに点ててあげたい」という気持ちにつながっていけば、それもまた茶道の楽しさではないでしょうか。

嬉しいことに、お二人はこれからも一緒にお稽古に来てくださることになりました。

おばあさまとお孫さんが、同じテーブルで一緒に初めてのことを学ぶ。

そんな茶道の楽しみ方も、とても素敵だなと感じています。

茶道から、いろいろな「好き」へ

子どもたちに茶道を教える中で、私は「上手にお点前ができるようになること」だけが大切なのではないと思っています。

茶道には、お茶だけではなく、季節の行事、歴史、花、書、陶芸、建築など、さまざまな日本文化が詰まっています。

抹茶が好き。

和菓子が好き。

歴史が好き。

きれいな茶碗が気になる。

掛物に書かれている言葉が気になる。

最初は、そんな小さな「好き」で十分です。

茶道を入口に、今まで知らなかったものに出会い、そこからまた別の「好き」が見つかるかもしれません。

茶道が、子どもたちの世界を少し広げるきっかけのひとつになれば嬉しいと思っています。

畳でも、テーブルでも

茶茶まるサロンでは、テーブルで楽しむ茶道を中心にしています。

「茶道には興味があるけれど、正座ができないから……」

そんな方にも、茶道を諦めてほしくないからです。

今回、おばあさまがお孫さんと一緒に体験してくださったことで、改めてテーブル茶道だからこそできることもあるのだと感じました。

一方で、「畳で本格的にやってみたい」というご希望があれば、その方に合わせて畳でのお稽古にも対応しています。

子どもでも大人でも、初めてでも、久しぶりでも。

正座ができても、できなくても。

最初から「こうでなければ」と決めるのではなく、その方に合った形で茶道に触れていただけたらと思っています。

そして、少しお稽古の間が空いても大丈夫です。

「またお茶を点てたいな」

そう思ったときに、気軽に戻ってきていただける場所でありたいと思っています。

茶道への入り口は、人それぞれ。

一服のお茶から、それぞれの「好き」や人とのつながりが、少しずつ広がっていけば嬉しいです🍵